憎めない男の性(さが)ー 「夏服を着た女たち」アーウイン・ショー
大学の授業でアーウイン・ショーは読まされて、短編集も読むようになった。
季節は晩秋なのだけれど、この小説は初夏にぴったりだ。
夏服を着た女性たちが、微笑みながら軽やかに歩いている姿が眼に浮かぶ。
綺麗な女性が気になる夫と、それを真剣に悩む妻。
結婚すると大変なんだなあ、と感じる。
夫が素敵な女性のことを話すだけで、泣きながら離婚話を切り出す妻は、ちょっと哀れだ。
夫の方は、ただ単に女性が好きで、彼女たちの魅力を語っているだけなのだ。
どうしても辞められないだけのことである。
この「男のサガ」は、いわば女性賛美であり、目くじらをたてる必要はない。
ちょっと想像して欲しい。
もうすぐ夏が来そうな空の色と、暑いとまでは感じない日差し。
心地よい風が吹いていて、力強い緑に変わった木々の葉が揺れている。
こんな日に、普段より少しだけおしゃれして夏の服を着ている女性たちとすれ違う。
あなたはきっと、振り返るだろう。彼女たちの美しさに。
そして、彼女たちのはにかんでいるような笑い声に、あなたは佇んでしまうだろう。
19世紀頃のアメリカンアートポスターコレクションvol.3 (Academic Libraryシリーズ)
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