ブレーキのない人生への思考

無数にあるパラレルワールドの螺旋階段を登ろう!

「海日和」  ショートショート

f:id:shaemakuno:20180523073123j:plain

 

 『海日和』

 

「海に行かないか」
俺は友達に誘われた。
どうやらそこは人気スポットで、仲間が沢山集まるらしい。
それならバーベキューやライブがあるだろうし、可愛い女の子たちと仲良くなれる。
俺は一緒に行くことにした。

そこは、広々とした草地でその先は断崖絶壁だ。
崖の下には初夏の日差しで、キラキラと光る海が続いている。
青い空に白い雲がいくつも浮かんで、風は心地よい。
海日和だ。

すでに大勢集まっている仲間達は、同じ方向に歩いて行くので、
俺もみんなについて行く。
先頭の奴が、海が見渡せる崖の淵まで行くと、突然、海に飛び込んだ。
え!こんな高い崖からダイビング? 自殺行為じゃん!
しかし、次から次へと仲間たちがダイビングし始める。
俺の番が近づいてくる。
みんな飛び込まなきゃいけないの?

その時、隣にいる友達がボソッと言った。
「俺たち、レミングなんだぜ。仲間が増えすぎたって聞いただろ、、、、」

 

 

海色の壜 (双葉文庫)

海色の壜 (双葉文庫)

 

 

 

悪魔のいる天国 (新潮文庫)

悪魔のいる天国 (新潮文庫)