ブレーキのない人生への思考

無数にあるパラレルワールドの螺旋階段を登ろう!

ショート ショート 「引越し」

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やっぱり田舎はいい。

 

俺の大事な友人が亡くなった機会に、ここに引っ越してきたのだ。

誰にも言わなかったが、それほど親しい人がいたわけでもないし、

まあいいだろう。

 

元々俺のライフスタイルに、都会の生活は合わなかったのだ。

周りは洒落た奴らばっかりで、趣味も全く違う。

俺の古臭い格好は浮いていたし、近所の連中に合わせようとして、

いろいろと流行りのものを買ってみたものの、俺にはフィットできなかった。

陰口をたたかれることや、白い目でみられることも、しばしばあって、辛かった。

ここは木々や美しい草花に囲まれて、俺の居場所にはぴったりだ。

買い物には少々不便だか、必要な物など殆ど無い。

ここで老後をのんびり過ごそうと思っている。

 

 

「パパ〜。おじいちゃんの家無くなってる!」

「え!? だって先週片付けに来た時は、ちゃんとあったよな…」

「ちょっと、あなた!どうなってるのよ!!」

 

― 都会の更地に親子3人が呆然と佇んでいた。

 

 

 

おまかせ野菜+果物 各6種+おまけ 

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