恋は習慣化される
今でも昔の恋人の夢を見る。
時には夜中に目が覚めてしまい、不愉快な気分になる。
忘れようとか、思い出さないようにしようとか、随分努力してきたけれど、もうその努力は諦めた。
頭に浮かんできてしまうのは仕方ない。
ああ、思い出してるな、とか、考えてるな、、とだけ思うようにしている。
一緒に聞いた曲が流れてくると、それは切ない。楽しかった出来事が蘇る。
または、恋人の心無い言葉を思い出して、グズグズと非難を浴びせ続ける。
そんな自分が情けなくなるが、もう、それも仕方ない。
「彼じゃなきゃダメなの」とか
「ひと目でもいいから、もう一度会いたい」
なんていう、乙女な気持ちは毛頭ないけれど、頭に浮かんでくるのは、
もう習慣化されているようだ。
死ぬまで昔の恋人のことを思い出しているのは、随分と痛い話だが、
そうなったら、まあ、それでもいいのだろう。
恋は実に厄介である。
世の中には、誰とでも幸せになれる人と、誰といても幸せになれない人の二通りしかいない。
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「 王子様が好き 」 ショートショート
私は悪い魔法使いに、白鳥にされてしまったお姫様。
魔法を解くために、私を愛してくれる王子様を探しているの。
この前やっと王子様が見つかったのに、彼ったら、私に似ている女の子と結婚しちゃって、ひどい!
でも人間の姿じゃない私のつらさが分かるわけないよね。
じゃあ、今度は共に苦労話ができる、魔法にかけられている王子様にしようっと。
あそこの池にいるカエル、どうやら王子様らしい。
私のキスで人間にしてあげるわ。
でも、カエルの王子様は白鳥姿の私を見ると、ゲコゲコ泣きながら、ぴょんぴょん飛んで逃げちゃう…
仕方ない。それなら、森の中のお城に住んで、野獣になってる王子様だわ。
彼は私を見るとすぐ走り寄ってきて… 食べられそうになった…
やっぱ、野獣はだめだわ。
だけど、私はめげない。
今度は鳥にされた11人の王子様たちがいるという情報をゲットした。
小姑がいるみたいだけど、鳥同士だし気も合うに違いない。
それに、11人もいるなら選り取り見取り。
イケメン王子だっているはずよ。
今度こそうまくいくわ!
みんなで旅行 ショートショート
(おや?お久しぶり。ご一緒できるとは思いませんでしたよ)
(確かあなたは、専門が違ったのでは、、、、、)
(いやー、こっちの業種も増やしてみたんですよ)
(へえ、で、どうですか?景気は?)
(もう平日でも忙しくて、長蛇の列ですよ)
(うちもそうですよ。やっぱり一番儲かるのは、この業界ですしね)
(そうそう、かなり大勢が参加してますから、仲間がどんどん増えていきますよね)
(ところで、今回はどこに行けるんでしょうね?)
(どうやら、イタリアらしいですよ)
(えー!嬉しい!私、初めての海外です!)
(いい時代になりましたな。こうして遠く離れた皆さんと一緒に旅行に行けるなんて)
(そうそう)
(だからこそ、まだまだ彼女たちの願いを叶えてやるわけには、いきませんな)
(あはははは)
飛行機の中では、妙齢の女子たちが、沢山の縁結びのお守りストラップを揺らしなが、スマホで海外での出会いサイトを食い入るように見ていた。
君は「極上の孤独」を感じることができるか?
誰かといても、ひとりでいても孤独はやってくる。
仕事仲間と騒いで飲んでいる時、自分はその群れに属してないと感じるだろう。
親しい友人と楽しく話している時、自分が理解してもらえないと思うだろう。
大好きな恋人と一緒にいる時、相手の曖昧な言葉が辛い気持ちにさせるだろう。
ひとりで読書をしている時、自分がこの世でたった独りであると感じるだろう。
ひとりで青空を見上げている時、自分は誰にも助けてもらえないと思うだろう。
ひとりで街中を歩いている時、何故ここにいるのかが、わからなくなるだろう。
人はひとりでは生きていけない。
間接的にでも、必ず誰かの恩恵を受けている。
だから、今生きているということは、誰かと一緒にいるということなのだ。
ひとりということはあり得ない。
みんなというひとつの中に自分がいるだけなのだ。
そのひとつの中に、独りという個がある。
誰とも同じではない、自分がいる。
予期せぬ淋しさの訪れで、宙に浮くような雰囲気にのまれる時、
唯一の自分という存在を認めている「極上の孤独」を感じているに違いない。
「あなたの旅立ち、綴ります」 老婦人の格好良さ
シャリー・マクレーンの最新映画「あなたの旅立ち、綴ります」
(The Last Word 2017 )
大金持ちの老婦人(シャリー・マクレーン)が自分の人生が残り少ないこと悟り、キャリアに悩む若き記者(アマンダ・セイフライド)に、素敵な訃報記事を生前に依頼する。しかしマクレーンは嫌われ者で、悪評しかなく、全くいい記事がかけない。
そこで、マックレーンは自分ができることを考え、行動していく。年の離れた女性たちのあったかい友情ストーリーで、やりたいことは、いつでもできると感じる映画。
今回も、マクレーンはお金持ちの我儘な老婦人役だが、こういうキャラは彼女の右に出るものはいないだろう。
高慢でパワフルで自分の流儀は崩さない。
上から目線の物言いは、周りの人をグサッと傷つけ、ムカッと怒らせるのだけれど、
真実でもあるので、誰も言い返すことはできない。
老人として労わられることを嫌がり、思いつきや行動の速さは若者にも劣らない。
見ていて、スカッとする。かっこいい。
あんな老婦人になれたらと、憧れの念さえ持つ。
シャリー・マクレーンが日本で大人気になったのは、1980年代に体験談を書いた「アウト・オン・ア・リム」という本のようだ。あの本は日本にスピリチャルブームを巻き起こすきっかけとなった。それまでのスピ系の本は、何と無く怪しげで、分かるような、分かんないような、、、という雰囲気だったのだ。しかし、彼女の本は多くの人たちが、実感できた21世紀への先駆け思想で衝撃を与えた。
この本が出されてから30年立ったが、彼女は素敵に歳を重ねたように見える。
年相応の美しさをもった女性でいることを嬉しく思った。
負けん気が強そうで、それでいてハートフルな表情を醸し出す、流石のハリウッドスターである。
追記
1、映画の中で多くの曲が流れるが、どれもいいものばかり。一曲ずつ、じっくり聴きたくなる。
2、下着姿でみんなで水遊びをするシーンがあるが、(お色気シーンではありません😝)マクレーンの足の長さにびっくり!若いセイフライドなんかより、ずっと長い。
ダンスやってるからか、いつまでも体が整ってるなあ。
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時には自分への優しさを思い出してほしい
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今日は自分に優しくしよう。
今まで何もしていないと感じていても、
まだ何の成果もあげてないと思っていても、
今日だけは、自分は素敵な人生を送っているんだって
信じてみよう。
キーボードを打つ手を暫し留めて、窓から見える風景に目を向けてみる。
明日の予定を整理する時間を、十六夜の暖かい風に吹かれながら歩いてみる。
そして、本当は精一杯生きている自分を認めてあげよう。
自分に微笑みかけてあげよう。
軌跡は見えないような気がしても、
今まで一緒にいてくれた自分自身に、感謝して、
自分の全てを愛してあげよう。
今日だけは、嘘でもいいから、
自分に優しくしてあげよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EyKGWcUFHME
べルギービールは夏にぴったり 16世紀からの酸っぱ味
夏はやっぱりビールです。
きりりと冷えた白ワインを昼下がりに飲むのも、オツなものですが、
仄暗くなってきた頃、藍色の空の下、地面から上がってくる暖かい空気を感じながら飲むビールは、夏ならではの醍醐味といえましょう。
ベルギービールは自然発酵でちょっと酸味がある。この酸味が疲れに効く、なんていう説もききます。
普段なら、夜のみのには、ちょっと重たく感じるこのビールも、夏には、このどっしり感が美味しいと思えるのは、やはり季節のせいでしょう。
16世紀の庶民も、ランビックを飲んでいたようで、ブリューゲルの絵には度々、このビールが描かれていますね。
彼の絵には当時の生活習慣がびっしり詰まっていて、長い間見ていても飽きません。
細部を見ていくと
「げ!この人、こんなことしてる!?」
と驚くことが多々ありますが、それでいて御伽の国のような雰囲気もいっぱい。
絵本を読んでいるようです。
夏の夜は、ベルギービールで中世の雰囲気を味あうのもいいかもしれません。
まさに「真夏の夜の夢」ですよね😄